介護施設で生活相談員をしておりますわすれものです。
認知症の親が施設を嫌がる…多くの家族が悩んでいる
「施設には行きたくない」
「まだ家で生活できる」
認知症の親を持つご家族から、こうした言葉を聞くことは少なくありません。
一方で、家族側は
- 仕事と介護の両立
- 夜間の対応
- 徘徊や転倒の不安
など、日々大きな負担を抱えています。
その結果、
「もう限界かもしれない」
「施設を考えた方がいいのだろうか」
と悩むご家族はとても多いのです。
ですが、無理に施設へ入れることが、必ずしも良い結果になるとは限りません。
まずは、認知症の親が施設を嫌がる理由を知ることが大切です。
認知症の親が施設を嫌がる理由

施設を拒否する理由には、いくつかの共通点があります。
環境が変わることへの不安
認知症の方は、環境の変化にとても敏感です。
知らない場所
知らない人
生活リズムの変化
これらは大きなストレスになります。
そのため、
「施設=怖い場所」
というイメージになってしまうこともあります。
「まだ大丈夫」という思い
認知症の方の多くは、
自分の状態を正確に理解することが難しくなります。
そのため
- 自分はまだ元気
- 介護は必要ない
- 家で生活できる
と感じていることも少なくありません。
家族から見ると心配な状態でも、
本人にとっては「普通の生活」なのです。
家を離れることへの抵抗
長く住んできた家は、
本人にとって安心できる場所です。
思い出が詰まった家を離れることは、
想像以上に大きな不安につながります。
そのため
「施設には行きたくない」
という言葉の裏には、
「この家で暮らしたい」
という気持ちが隠れていることもあります。
無理に施設へ入れると起こること

もちろん、安全のために施設入所が必要なケースもあります。
ただ、無理に入所すると
- 強い拒否
- 不安や混乱
- 体調の変化
が見られることもあります。
施設側としても、
本人が納得していない状態ではケアが難しくなることがあります。
だからこそ、
**「無理に入れる前にできること」**を考えることが大切です。
無理に入れる前にできる5つのこと
デイサービスを利用してみる
いきなり施設入所ではなく、
まずは デイサービスから始める方法があります。
- 日中だけ利用
- 自宅に帰れる
- 新しい環境に慣れる
この経験が、将来の施設利用につながることもあります。
ショートステイを試す
数日間だけ施設を利用する
ショートステイも一つの方法です。
実際に過ごしてみることで
- 意外と楽しかった
- スタッフに慣れた
というケースもあります。
施設を見学する
「施設=怖い場所」
というイメージを持っている方もいます。
実際に見学すると
- 明るい雰囲気
- スタッフとの会話
- 他の利用者の様子
を見ることで、印象が変わることもあります。
医師やケアマネジャーに相談する
家族だけで抱え込む必要はありません。
- ケアマネジャー
- 地域包括支援センター
- 医師
こうした専門職と相談しながら、
少しずつ方向性を考えることが大切です。
家族の限界を知る
一番大切なのは、
家族が無理をしすぎないことです。
介護は長く続くことが多いものです。
頑張りすぎてしまうと
- 心身の疲れ
- 家族関係の悪化
- 介護うつ
につながることもあります。
家族が倒れてしまっては、
介護を続けることもできなくなってしまいます。
家族のストレスが限界になる前に
介護をしていると、
- もう疲れた
- 誰も分かってくれない
- 自分だけが大変
と感じることもあります。
ですが、それは決して特別なことではありません。
多くの介護家族が、同じような気持ちを経験しています。
だからこそ、
一人で抱え込まず、
- 周囲に相談する
- サービスを利用する
- 少し休む
ことも大切です。
施設入所を考えるタイミング
最終的に施設入所を選ぶケースもあります。
例えば
- 夜間の徘徊がある
- 転倒のリスクが高い
- 家族が対応できない
こうした状況では、
施設の方が安全な生活になることもあります。
施設入所は「家族が楽をするため」ではなく、
本人の安全と生活を守るための選択
でもあるのです。
まとめ

認知症の親が施設を嫌がることは、決して珍しいことではありません。
そのとき大切なのは
- 本人の気持ちを理解する
- 無理に決めない
- 周囲に相談する
- 家族が無理をしすぎない
ということです。
介護は、家族だけで抱えるものではありません。
時には周囲の力も借りながら、
本人にとっても家族にとっても無理のない形を見つけていくことが大切です。

「施設は嫌だ」と言われると、ご家族としては本当に悩みますよね。
でも、環境の変化に不安を感じるのはとても自然なことだと思います。
無理に進めるよりも、デイサービスや短期利用などで少しずつ慣れていく関わりが、結果的に安心につながることも多いと感じています。



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