認知症の親を介護するご家族へ:心が軽くなる心構えの5つのヒント

認知症の親に寄り添う家族が穏やかに過ごすイラスト。柔らかい色合いの背景で、介護する家族への心構えを伝えるブログ用アイキャッチ画像 日常

高齢者施設で相談員をしていますわすれものです。

はじめに

「親が認知症になった。」
この現実を受け止めるのは、とても勇気のいることですよね。
「もっとちゃんと見てあげなきゃ」「私がしっかりしないと」――そう思うほど、心も体も疲れてしまうものです。

介護は長い道のり。完璧さを求めすぎず、まずはご自身の心を守ることが大切です。この記事では、認知症のご両親を介護するご家族の方が少しでも楽になれる「心構えのヒント」をお伝えします。

1. 「認知症は病気である」という理解が心を守る

親が認知症になると、「なんで分かってくれないの?」「あんな人じゃなかったのに」と心が傷つくことが多いものです。
でも、認知症は“性格が変わった”のではなく、脳の働きが病気によって変わっただけです。

  • 昨日話したことを忘れる
  • 怒りっぽくなる
  • 物を取られたと訴える

これらはすべて病気の症状であり、「親のせいでもない」「自分のせいでもない」と考えることで、気持ちが少し楽になります。

2. 「できないこと」より「できること」に目を向ける

認知症が進むと、「あれもできなくなった」「これも無理になった」と感じる場面が増えますよね。
でも、まだできること、まだ一緒に楽しめることもたくさんあります。

  • 一緒に食事をする
  • 昔の話を聞く
  • 散歩に出かける

こうした「できること」に目を向けることで、お互いの関係も穏やかになります。

3. 「一人で抱え込まない」という勇気

介護をしていると、「私が頑張らなきゃ」「家族だから当然」と思いがちですが、それが一番の心の負担になります。
介護は一人で抱え込むものではなく、チームで取り組むものです。

  • ケアマネジャーに相談
  • デイサービスやショートステイを活用
  • 親戚や友人に話を聞いてもらう

「頼ることは恥ずかしいことではない」と思えるだけで、心が軽くなります。

4. 「完璧な介護」を手放す

「母を一人にしてはいけない」「父の世話を完璧にしないと」と思うほど、疲れ切ってしまいます。
完璧な介護は必要ありません。

  • ご飯は時々お弁当でもいい
  • 掃除が行き届かない日があってもいい
  • 時には「今日は何もしない日」があってもいい

介護者が倒れてしまったら元も子もありません。ご自身の心と体を守ることが、一番大切な介護です。

5. 「今の時間」を大切にする

認知症になると、昔の親の姿と比べて悲しむことが多いものです。
でも、「今」の親と過ごせる時間は、かけがえのないもの。

  • たとえ同じ話でも、笑って聞く
  • 小さな変化を一緒に楽しむ
  • その日の気分を大切にする

昨日のことを忘れてしまう親でも、「今日一緒に笑った」という気持ちはきっと残ります。

おわりに

認知症の介護は、出口の見えないマラソンのように感じることもあります。
でも、無理せず、完璧を目指さず、小さな「できた」を積み重ねることが、介護を続ける力になります。

あなたが一人で頑張っていることを、ちゃんとわかっている人はいます。
もし心が折れそうなときは、専門職や周りの人にぜひ頼ってください。
あなたの笑顔が、ご両親にとって一番の安心ですから。

コメント

タイトルとURLをコピーしました