特養と老健の違いをわかりやすく解説!費用・条件・選び方のポイント

特養と老健の違いをわかりやすく解説するブログのアイキャッチ画像。介護施設を探す家族向けに、費用や入所条件、選び方のポイントを丁寧に説明しています。 介護

高齢者施設で生活相談員をしておりますわすれものです。

「親の介護で施設を考えなきゃ…」そう思ったときに、よく出てくるのが特養(特別養護老人ホーム)老健(介護老人保健施設)です。

名前が似ているからこそ、

「どう違うの?」

「うちの親にはどっちが合うの?」

と迷うご家族も多いのではないでしょうか。

この記事では、介護施設を探している方に向けて、特養と老健の違いをできるだけわかりやすくまとめました。難しい専門用語はできるだけ避けて、家族の立場から見た選び方のポイントをお伝えします。


特養(特別養護老人ホーム)とは?

特養は、「長く安心して暮らせる生活の場」です。重度の介護が必要になった高齢者が、最期まで生活できる施設として利用されています。

入所できる人の条件

原則として要介護3以上の方が対象です。日常生活の多くに介護が必要で、自宅での生活が難しい場合に申し込みができます。

費用の目安

月7〜15万円前後が一般的です。収入や資産に応じて「補足給付(特定入所者介護サービス費)」という補助が受けられることもあります。

利用できる期間と特徴

基本的には長期的に入所が可能です。「終の棲家(ついのすみか)」として選ばれることも多く、自宅介護が限界になったときの選択肢として考えられています。

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老健(介護老人保健施設)とは?

老健は、「自宅に戻るためのリハビリを重視した施設」です。病院から退院したあと、すぐに自宅での生活に戻るのが難しい方のための“中間施設”ともいわれます。

入所できる人の条件

要介護1〜5の方が対象です。医療的なケアが必要な方や、退院後の在宅復帰に不安がある方が入所するケースが多いです。

費用の目安

月10〜20万円前後。医療ケアやリハビリが比較的手厚いため、特養よりもやや高めになることがあります。

利用できる期間と特徴

原則は3か月程度の利用です。ただし「在宅復帰に向けてもう少し時間が必要」と判断されれば、更新して利用を続けられることもあります。


特養と老健の大きな違い(比較表)

項目 特養(特別養護老人ホーム) 老健(介護老人保健施設)
目的 長期的な生活の場 在宅復帰を目指す中間施設
入所条件 要介護3以上 要介護1〜5
利用期間 基本的に長期 原則3か月(更新可能)
費用 月7〜15万円前後 月10〜20万円前後
特徴 生活支援が中心 リハビリ・医療体制が充実

どちらを選べばいい?向いている人の特徴

特養に向いているケース

  • 自宅での介護が限界に近い
  • 長く安心して暮らせる場所を探している
  • 家族の介護負担を大きく減らしたい

老健に向いているケース

  • 退院後すぐに自宅に戻るのが不安
  • 在宅生活の準備をしたい
  • リハビリをしっかり受けたい

施設選びで失敗しないためのポイント

パンフレットやホームページの情報だけでは、施設の雰囲気はなかなか伝わりません。可能であれば、実際に見学してみるのがおすすめです。

  • 職員さんの対応や雰囲気
  • 食事の内容や雰囲気
  • 利用者さんが穏やかに過ごせているか

こうした部分を直接見て確認することで、家族に合った施設を選びやすくなります。

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まとめ:特養と老健の違いを理解して、家族に合った選択を

特養と老健は名前が似ていますが、目的が大きく違います。

  • 長く安心して暮らす → 特養
  • 自宅に戻る準備をする → 老健

ご家族が「今、一番必要としていることは何か」を考えると、どちらが合っているのかが見えてきます。

介護は誰にとっても初めての経験で、不安や迷いがあって当然です。この記事が、少しでも施設選びの参考になればうれしいです。

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