高齢者施設で生活相談員をしておりますわすれものです。
はじめに
高齢の親や家族に介護が必要になったとき、「どんな人が関わってくれるの?」「在宅と施設ではどう違うの?」と不安に思うご家族は多いのではないでしょうか。
介護は一人で抱え込むものではなく、さまざまな専門職がチームで支えてくれます。
この記事では、介護に関わる主な専門職の役割と、在宅介護と施設介護での関わり方の違いを分かりやすくご紹介します。
介護に関わる主な専門職と具体例
1. ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 役割
介護サービスの計画(ケアプラン)を作り、ご家族と専門職をつなぐ調整役。 - 在宅介護での関わり方
定期的に自宅を訪問し、生活の様子を確認。必要に応じてサービス内容を変更してくれます。
👉 例:デイサービスを追加したり、訪問介護の時間を延長するなど。 - 施設介護での関わり方
施設ごとに配置され、利用者に合ったケアプランを作成。入所後もご家族と連絡を取り、希望を反映してくれます。
2. 介護福祉士・介護職員
- 役割
日常生活の介助(食事・入浴・排泄など)を中心に、利用者に寄り添ったケアを行う。 - 在宅介護での関わり方(訪問介護員)
ご自宅に伺い、調理や掃除、入浴介助などを行います。
👉 例:一人暮らしの高齢者の安否確認も兼ねて訪問。 - 施設介護での関わり方
入所施設やデイサービスで日常生活を支援。毎日利用者に接することで、小さな変化にも気づいてくれます。
3. 看護師(施設・訪問看護)
- 役割
健康管理や医療ケアを担う。服薬管理や体調変化への対応も重要。 - 在宅介護での関わり方
訪問看護として自宅を訪れ、血圧測定や点滴、床ずれの処置などを行います。
👉 例:慢性疾患を抱える高齢者の健康チェック。 - 施設介護での関わり方
入所施設の看護師が常駐し、日々の体調をチェック。必要に応じて病院との連携も行います。
4. リハビリ専門職(理学療法士・作業療法士)
- 役割
身体機能や日常生活動作を維持・改善する。 - 在宅介護での関わり方
訪問リハビリとして自宅で運動指導や生活動作の訓練を実施。
👉 例:自宅の階段を上がる練習、トイレまで歩く練習など。 - 施設介護での関わり方
デイサービスや入所施設でリハビリを実施。グループ訓練や機械を使った運動も行います。
5. 管理栄養士・栄養士
- 役割
利用者の体調に合わせた食事を考え、栄養バランスを整える。 - 在宅介護での関わり方
訪問や相談で、嚥下(飲み込み)に配慮したレシピを提案。
👉 例:噛みやすい食材に変える、刻み食やとろみをつける工夫など。 - 施設介護での関わり方
給食管理を行い、利用者ごとに食事形態を調整。糖尿病や腎臓病など疾患に合わせた献立作成も行います。
6. 生活相談員
- 役割
利用者やご家族からの相談窓口。契約や行政手続きのサポートも担当。 - 在宅介護での関わり方
直接は少ないですが、通所サービスを利用する際の契約や相談に対応します。 - 施設介護での関わり方
入所や通所の相談に乗り、家族との橋渡しを行います。退所や入院の調整も担う心強い存在です。
専門職が連携する「チームケア」
介護は、ひとつの職種だけで成り立つものではありません。
ケアマネジャーを中心に、介護職・看護師・リハビリ職・栄養士などが情報を共有しながら連携します。
👉 ご家族にとっての安心ポイントは「それぞれの専門職が役割を分担していること」。
「すべてを家族が抱える必要はない」と理解することが、介護生活を続ける第一歩です。
専門職 | 在宅介護での関わり方 | 施設介護での関わり方 |
---|---|---|
ケアマネジャー | 自宅を訪問し、ケアプランを作成・調整 | 施設内でケアプランを作成し、ご家族と調整 |
介護職員 | 訪問介護(食事・入浴・掃除など) | 日常生活全般を施設内でサポート |
看護師 | 訪問看護で体調管理、医療的ケア | 常駐して健康チェック・服薬管理 |
リハビリ職(PT・OT) | 自宅での動作訓練、生活動作の指導 | 施設でのリハビリやグループ訓練 |
管理栄養士 | 栄養相談、在宅向けの献立提案 | 施設給食の献立作成、疾患に応じた食事管理 |
生活相談員 | 通所サービス契約などで関わる | 入所・通所の契約、家族・行政との橋渡し |
まとめ
介護に携わる専門職には、それぞれの役割と得意分野があります。
在宅介護では「訪問型のサポート」、施設介護では「常駐型のサポート」という違いがありますが、どちらも目的は同じです。
👉 ご家族がまず行うべきことは、ケアマネジャーに相談して「どの専門職がどう関わるのか」を知ること。
専門職と一緒にチームを作ることで、安心して介護に向き合えるようになります。
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