高齢の親が退院後に自宅で暮らせない…困ったときの解決策と施設の選び方

退院後の生活に悩む高齢の親と、その家族が病院で相談している様子。自宅では暮らせないときの選択肢を考えるイメージ。 日常

高齢者施設で生活相談員しておりますわすれものです。

はじめに

「親が入院しているけれど、もう自宅では生活できないかもしれない」
そう悩むご家族は少なくありません。退院は回復の一歩ですが、その後の生活をどう支えるかは現実的な課題です。

この記事では、介護の現場から 退院後に自宅で暮らせないときの選択肢と施設選びのポイント をわかりやすくお伝えします。

退院後の生活が不安なときは「病院の退院支援」に相談を

病院には多くの場合、退院支援担当(医療ソーシャルワーカーや退院調整看護師) がいます。

退院支援とは?医療ソーシャルワーカーにできること

  • 退院後に必要な介護サービスの調整
  • 自宅で暮らせないときの施設紹介
  • 家族の負担や介護力についての相談

「家で暮らせない」と正直に伝えることの大切さ

遠慮せずに「自宅では無理」と伝えてください。早めに相談することで、退院日までに施設やサービスの手配が進められます。

高齢の親が退院後に自宅で暮らせない場合の選択肢

退院後の生活の場は、必ずしも自宅だけではありません。状況に合わせて選べる施設があります。

リハビリを受けながら一時的に生活できる「介護老人保健施設(老健)」

  • 医師やリハビリスタッフが常駐
  • 3〜6か月程度の入所が目安
  • 自宅復帰を目指すリハビリに適している

長期入所が可能な「特別養護老人ホーム(特養)」

  • 要介護3以上の方が対象
  • 経済的負担が比較的少ない
  • 入所待ちがある場合も多いため早めの申込みが必要

有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅(サ高住)の特徴

  • 比較的スムーズに入所できる
  • 自費負担はあるが、生活支援や介護サービスが充実
  • 介護度に合わせて選びやすい

とりあえずの受け皿になる「ショートステイ」

  • 一時的に施設で生活できるサービス
  • 退院直後の緊急対応や、家族が準備を整える間の利用に便利

「家で介護できない=親不孝」ではない理由

ご家族の中には、
「施設にお願いするのは申し訳ない」
「やっぱり家でみてあげるべきなのでは」
と罪悪感を抱く方も多いです。

安全で安心できる生活の場を選ぶことが大切

在宅生活が難しいのに無理をすることは、ご本人にとって危険でもあります。

家族の負担を減らすことが結果的に本人の幸せにつながる

介護を無理に抱え込むよりも、施設の力を借りて家族は「見守り役」として寄り添う方が、結果的に良い関係を保てます。

退院後の施設選びで失敗しないためのポイント

費用や入所条件を早めに確認する

施設によって費用や条件は大きく異なります。パンフレットや見積もりを取り寄せましょう。

見学や相談で生活イメージをつかむ

可能であれば施設を見学して、雰囲気や職員の対応を確認するのがおすすめです。

ケアマネジャーや地域包括支援センターを活用する

施設探しや介護保険サービスの調整をサポートしてくれます。専門家に頼ることでスムーズに進みます。

まとめ

  • 退院後に自宅生活が難しい場合は、退院支援へ早めに相談
  • 老健・特養・有料ホーム・ショートステイなど、複数の選択肢がある
  • 「家でみないと親不孝」という考えに縛られず、本人の安全と安心を優先する

退院は新しい生活のスタート。
ご家族だけで抱え込まず、施設や専門職と一緒に最適な選択をしていきましょう。


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