高齢者施設で生活相談員をしておりますわすれものです。
はじめに
認知症介護では、思い通りに進まない場面が多く、怒りやストレスが蓄積しがちです。
しかし、怒りの感情を「無くす」必要はありません。
大切なのは、感情に振り回されずにコントロールすること。
この記事では、認知症介護に活かせるアンガーマネジメントを、7つの対策としてまとめました。

介護の専門職とはいえ、ストレスを抱えイライラすることはあります。しかし、イライラのまま動いても良いことはありません。イライラの原因とそれをどう活かすかが大切です。
なぜ認知症介護はイライラしやすい?原因を整理
よくあるストレスの場面
- 何度も同じ会話が続く
- ケアを拒否される
- 暴言が出る
- 夜間帯の対応が重なる
- 職員同士の意見が合わない
怒りは「二次感情」
怒りの裏には
- 不安-つらさ
- 孤独
- 焦り
といった一次感情が隠れています。
一次感情に目を向けると、怒りの原因が見えやすくなります。
アンガーマネジメントとは?

怒りをゼロにする技術ではありません!
必要な場面では適切に怒り、
必要ない場面では距離を置く
という「怒りの扱い方」の技術です。
介護でも多く活用され、職員間の人間関係改善にも有効です。
認知症介護の怒りを減らすアンガーマネジメント7つの方法
①6秒ルール
怒りのピークは6秒。
その間に
- 深呼吸
- 視線を外す
- 交代を依頼する
など、時間を稼ぎましょう。
②「事実」と「解釈」を分ける
例:
「何度も言わせるなんてわざと言ってる?」 → 解釈
「同じ質問が出た」 → 事実
思い込みに気づくき事実を見る癖がつくと、怒りが減ります。
③期待値を下げる
認知症の症状によって
「なんでできない?」ではなく
「できないことが前提」と考える
前提を変えることで、失敗に対するストレスや怒りは軽減します。
④心理的・身体的に距離を作る
怒りの炎上を防ぐポイント
- 一度離れる
- 姿勢を変える
- 声のトーンを落とす
距離が取れるだけで冷静さが保てます。
⑤完璧主義を手放す
完璧を求めるほど怒りは増えます。
「できる範囲で良い」というラインを決めると介護が楽になります。
⑥感情より雰囲気で伝える
認知症ケアでは
- 表情
- スピード
- 声の高さ
の印象が強く残ります。
こちらの雰囲気が落ち着いていれば、相手の反応も変わります。
⑦職員同士で共有・相談する
怒りは孤独で増幅します。
- 夜勤明けの情報共有
- 援助の受け渡し
- 役割分担の明確化
一人で抱え込まないことが大切です。
人間関係のストレスを減らすコツ(介護職向け)
介護の仕事でつらいのは、
業務量そのものより**「人との関係」**という声は少なくありません。
認知症ケアに気を配りながら、
同時に職員同士の空気も読まなければならない。
それだけで、心はすり減っていきます。
ここでは、現場で無理なく使える
人間関係のストレスを減らす視点を紹介します。
相手を変えようとしない
「どうして分かってくれないの?」
「なんであの人はああなんだろう」
そう感じるほど、ストレスは増えていきます。
人は基本的に変えられません。
変えられるのは、自分の関わり方と距離感だけです。
・期待しすぎない
・理解してもらおうとしすぎない
この“あきらめに近い割り切り”が、
心を守ることにつながります。
感情で注意しない
忙しさや疲れが溜まると、
つい語気が強くなったり、感情的になってしまうこともあります。
しかし感情的な注意は、
相手の防衛心を高めるだけで、関係を悪化させがちです。
伝えるときは
- 事実
- 状況
- 具体的な行動
に絞ることで、
無駄な衝突を避けやすくなります。
「自分の仕事」と「相手の仕事」を分ける
介護現場では、
「自分ばかり大変」「なんで私だけ?」
と感じる場面が起こりやすいものです。
そんな時は、
責任の境界線が曖昧になっていることが多いです。
- どこまでが自分の役割か
- どこからは相手の役割か
を意識して線引きすることで、
不要な怒りや不満を減らせます。
距離を取ることは「逃げ」ではない
合わない人、疲れる人と
無理に関係を良くしようとする必要はありません。
必要なのは
最低限の業務が回る距離感です。
- 関わる頻度を減らす
- 必要な会話だけにする
- 一度クッションを置く
距離を取ることは、
自分を守るための立派なスキルです。
「わかってほしい」を手放す
「こんなに頑張っているのに」
「大変さを分かってほしい」
その気持ちが強いほど、
相手の反応に振り回されてしまいます。
全員に理解されなくても、
仕事は成立します。
“分かってくれる人が一人いればいい”
そう考えるだけで、気持ちはかなり楽になります。
チームで抱える視点を持つ
介護は一人で背負う仕事ではありません。
- 困ったことは共有する
- できない日は助けを求める
- 情報をつなぐ
これだけで
人間関係の摩擦は驚くほど減ります。
「迷惑をかけないように」ではなく、
「チームとして安全に回す」意識が大切です。
人間関係が安定すると、ケアも安定する
職員同士の空気は、
言葉以上にご利用者へ伝わります。
人間関係のストレスが減ると
- 表情が柔らかくなる
- 声のトーンが落ち着く
- ケアに余裕が生まれる
結果として、
認知症ケアもスムーズになります。
最後に
人間関係で疲れるのは、
あなたが弱いからではありません。
それだけ
気を遣い、周囲を見て、頑張っている証拠です。
すべてをうまくやろうとせず、
少し距離を取り、少し力を抜く。
それが、
長く介護の仕事を続けるための
大切なセルフケアになります。
まとめ
認知症介護でイライラしてしまうのは、あなたが悪いのではありません。
疲れ・不安・孤独・責任感…さまざまな感情が積み重なって表面化した結果です。
アンガーマネジメントは、怒りを抑え込むのではなく
「感情に気づき、適切に扱うための技術」。
今回紹介した7つの方法は、すべて今日から実践できます。
- 無理に我慢しない
- 距離をとっても逃げではない
- 完璧なケアを求めない
- 同僚や家族と共有し、孤立しない
怒りに振り回されず向き合えると、
介護が少し楽になり、人間関係も柔らかくなります。
そしてなにより、穏やかな雰囲気はご利用者に伝わります。
焦らず、感情とうまく付き合いながら
「できる範囲でできること」を積み重ねていきましょう。
あなたの介護は、十分にがんばっています。

いつも頑張っているあなただからこそ、衝動的な怒りで関係を壊してほしくありません。一度関係が壊れると、修復が難しいのが人間関係です。



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