高齢者施設で生活相談員をしておりますわすれものです。
はじめに:利用者ファーストの裏で、職員が疲弊していませんか?
介護の現場では「利用者ファースト」が大切だと言われます。
けれど、利用者を支える職員自身が疲れ切っていては、良いケアは続けられません。
今、注目されているのが「スタッフファーストの介護」という考え方です。
これは、「職員を守ることが結果的に利用者を守る」につながるという発想です。
この記事では、職員を守るために必要な5つの考え方を具体的に紹介します。
スタッフファーストとは?職員第一主義の介護
「スタッフファースト」とは、
職員が安心して働ける環境を整えることを最優先に考える姿勢のことです。
介護業界では「利用者中心」が当たり前とされますが、
現場で働く職員が心身ともに健康でなければ、質の高いケアは提供できません。
職員を守ること=利用者を守ること。
職員を守る介護施設は、結果的に定着率が高く、利用者や家族からも信頼される職場になっていきます。
職員を守るために必要な5つの考え方
① 職員の声を“聞く”姿勢を持つ
どんなに立派な方針を掲げても、現場の声を聞かなければ改善は進みません。
定期的なアンケートや個別面談、匿名意見箱など、
「安心して意見を言える環境」をつくることが大切です。
→ 「意見が言える職場」は、職員の安心感と信頼を育てます。
② シフトや業務の“公平さ”を大切にする
介護現場でストレスの原因になりやすいのが、シフトの不公平感。
「いつも同じ人に負担がかかっている」状態を放置すると、不満が広がります。
- 公平な勤務調整
- 業務分担の明確化
- 無理をしない文化づくり
こうした取り組みが、「職員を守る施設」の第一歩です。
③ 管理者が“盾”になる
クレーム対応やトラブルのとき、上司が職員の前に立つこと。
それが「守る」という姿勢の最も分かりやすい形です。
「あなたのせいじゃない」と言える上司がいる職場は、安心して働けます。
スタッフファーストな施設は、管理者が“職員の味方”として動きます。
④ 感謝と評価を“見える形”で伝える
「ありがとう」を言葉で伝えるだけでも、職員のモチベーションは変わります。
加えて、表彰制度や小さな賞与など、“見える形”の評価も効果的です。
→ 職員の努力を正当に認める文化が、離職防止につながります。
⑤ メンタルケアと休息を“当たり前”にする
介護は感情労働。
どれだけやりがいがあっても、心が疲れたままでは続きません。
- 定期的なカウンセリング制度
- 有休を取りやすい雰囲気づくり
- 上司による声かけ・フォロー
職員が安心して「休める」「頼れる」職場が、真のスタッフファーストです。
職員を守ることで得られる3つのメリット
- 離職率が下がる
→ 経験豊富なスタッフが定着し、ケアの質が安定。 - 職場の雰囲気が良くなる
→ 人間関係のトラブルが減り、笑顔が増える。 - 利用者・家族からの信頼が高まる
→ 「ここなら安心」と口コミが広がる。
これからの介護は「スタッフファースト」へ
「利用者ファースト」だけでは現場は回りません。
スタッフを守る介護こそが、これからの時代に求められる考え方です。
職員を守ることが、介護の未来を守る。
まずは、身近な職員の声を聞くことから始めてみませんか?

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