自宅介護で排泄が大変になる5つの理由|家族が今日からできる対策とは?

自宅介護で排泄が大変と悩む家族。夜間の呼び出しに疲れた表情で机に座る女性と、ベッドで眠る高齢者。排泄介助の負担や孤独感を象徴するイラスト。 介護

高齢者施設で生活相談員をしておりますわすれものです。

自宅介護で「排泄が一番大変」と感じていませんか?

自宅介護をしているご家族から、よく聞く声があります。
「食事や入浴よりも、排泄が一番つらい」
「正直、限界を感じている」

排泄は毎日のこと。しかも、こちらの都合を待ってくれません。
夜中でも、体調が悪い日でも、突然やってきます。

「イライラしてしまう自分が嫌になる」
「こんなことで疲れるなんて、情けない」

そう思ってしまう方も多いですが、
自宅介護で排泄が大変なのは、決して特別なことではありません。


自宅介護で排泄が大変になる5つの理由

理由① 排泄は待ってくれず、介護に“休み”がない

排泄介助の一番の大変さは、予測できないことです。
食事や入浴のように時間を決めることができず、
昼夜問わず対応が必要になります。

特に夜間の排泄介助が続くと、
睡眠不足が積み重なり、心にも余裕がなくなります。

「また呼ばれるかも…」
そう思いながら眠るだけでも、体は休まりません。


理由② 失敗すると「自分の責任」だと感じやすい

排泄の失敗が起こると、
・衣類の交換
・シーツの洗濯
・部屋の片付け

やることが一気に増えます。

その中で、
「自分の対応が遅かったのかも」
「もっと早く声をかければよかった」
と、自分を責めてしまう方も少なくありません。

でも、排泄の失敗は介護者のせいではないことがほとんどです。


理由③ 体への負担が想像以上に大きい

排泄介助は、中腰・前かがみ・持ち上げ動作が多く、
腰や膝への負担がかなり大きい介護です。

最初は何ともなくても、
気づかないうちに腰痛や関節痛が慢性化していきます。

「自分が倒れたらどうしよう」
そんな不安を感じながら介護を続けるのは、とてもつらいことです。


理由④ 本人の拒否や怒りに、心がすり減る

排泄は、本人にとってもとてもデリケートな行為です。
そのため、
・怒る
・拒否する
・恥ずかしがる

といった反応が出ることも珍しくありません。

頭では「仕方ない」と分かっていても、
きつい言葉を向けられると、心は確実に傷つきます。

そして後から、
「もっと優しくできたはずなのに…」
と、自己嫌悪に陥ってしまう方も多いのです。


理由⑤ 誰にも弱音を吐けず、ひとりで抱え込みやすい

自宅介護の排泄の悩みは、
とてもプライベートで、人に話しづらいものです。

家族だからこそ、
「私がやらなきゃ」
「愚痴を言ってはいけない」
と、無理をしてしまいます。

でも、ひとりで抱え続ける介護は、
必ずどこかで限界がきます。


自宅介護の排泄を少し楽にする現実的な対策

トイレにこだわりすぎない

「できるだけトイレで」
そう思う気持ちはとても大切です。

でも、体調や時間帯によっては、
おむつ・パッド・ポータブルトイレを併用して構いません。

排泄の自立よりも、介護が続けられることを優先してください。


夜間の排泄対策で負担を減らす

夜間は特に、
介護者の負担が大きくなりがちです。

・夜用パッド
・防水シーツ
・着替えやすい衣類

こうした工夫だけでも、
夜中の対応はかなり楽になります。


福祉用具は「甘え」ではない

手すりや昇降便座、ポータブルトイレは、
介護を続けるための大切な道具です。

使うことで、
本人も介護者も安全になります。

「まだ早いかな」と感じる時こそ、
一度検討してみてください。


限界を感じたら、必ず外部に頼る

「排泄が一番つらいです」
その一言を、ケアマネジャーに伝えてください。

訪問介護や福祉用具の導入など、
状況に合った支援につながる可能性があります。


完璧を目指さない介護が、結果的にうまくいく

排泄介助は、
頑張りすぎるほど苦しくなりやすい介護です。

うまくできない日があってもいい。
イライラしてしまう日があってもいい。

あなたが倒れないことが、何より大切です。


まとめ:あなたが限界を感じる前に

自宅介護で排泄が大変になるのは、
5つの理由が重なり合う、自然なことです。

どうか、
「ちゃんとやれない自分」を責めないでください。

完璧じゃなくていい。
続けられる介護でいい。

あなたは、もう十分に頑張っています🍀

わすれもの
わすれもの

施設の専門の介護職でも排泄介助は労力がいります。だから、在宅でされているご家族の負担は相当のものだと思います。今はオムツの製品も進み、夜間交換不要のオムツもあります。

介護される人が楽に、介護する人はもっと楽になりますように。

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