高齢者施設で相談員をしておりますわすれものです。
転倒リスクが高い利用者の為に、怪我予防の為にベッドに設置する離床センサー。利用者がベッドから起き上がれば、センサーマットが反応してコールが鳴り、スタッフが駆けつけて見守りや介助が出来る大変便利な機器です。
私が働く施設では、主にベッドセンサーを設置していますが、今現場では一つの問題が浮上しています。それは、
ベッドセンサーを使用する利用者が多く、センサーコール(ナースコール)が鳴り続ける事です。
離床センサーの設置目的は、転倒を未然に防ぐ事です。しかし、施設の利用者が、自分でベッドから起き上がってトイレに行く·車椅子に移る·着替をする、一人で何かをしようとする動作がある時は、事故は起きる前提で考えていなければなりません。
しかし、その利用者全員に離床センサーを設置しては、複数の離床センサーが同時に鳴ることや、対応が追いつかない事で、それが逆にスタッフの負担になってしまいます。
だとすれば、どのような利用者に設置していけばよいか?そこには、スタッフのアセスメント力が必要です。
- 転倒歴が多い
- ふらつきがある
- 下肢筋力が著名である
- 認知があり不可解な行動を起こす
そのような状態が見られる利用者には、離床センサーの設置が必要かと思われます。
施設の利用者は、ほとんどがそのような方ばかりだと思われますが。。?
その通りです。
そこで、離床センサーを転倒予防目的だけでなく、利用者の行動を把握する手段として設置することも大切です。
ベッドから起き上がった後、どのよう行動を起こすことが多いか?それを知るためのアセスメント力です。
- トイレ(Pトイレ)が終われば、直ぐにベッドに休まれるのか、そのまま起きようとされるのか
- 車椅子に移って居室から出ようとされるのか、独歩で居室から出ようとされるのか
- 寝具の調整をすればまた休まれるのか、もう起きようとされるのか
- ベッドに立とうとする動きが見られるのか
- タンスの中が気になって調べた後は、また休まれるのか、起きようとされるのか
起き上がりの理由には様々で、その後の利用者の動作にどのくらいのリスクが生じやすいか、見極めることが大切です。
上記の1.を例えるなら、「トイレに起きて、終わればベッドに休む。こちらから、声をかけないと離床されない。」そのような情報が分かれば、ベッドとPトイレの安全な距離を設定する事で、離床センサーのニーズは低くなります。
上記の2.ですと、移乗能力があれば、利用者が乗りやすく安全な車椅子の場所を決めておくと、必ずしも離床センサーは必要ないはずです。逆に、車椅子が必要なのに、そのまま歩こうとされる方は、やはり離床センサーが必要と思います。
ベッド周辺の環境を整えて、どの程度転倒リスクが抑えられるか、そこに視点を向けることも大切です。そういう意味では、新規の方は動きが読めないので、離床センサーは設置したほうが必要と思います。
転倒予防の為に、離床センサーを設置していくのですが、それだけで転倒を防げる訳ではありません。しかし、離床センサーを設置しているだけで安全と勘違いしてしまい、その後のアセスメント力が疎かになってしまい、いつまでも離床センサーが外せず、結果センサーコールに振り回せれて、スタッフが疲弊してしまう現状があります。
離床センサーは、お守り代わりとして、最終的にはやはりスタッフの支えこそが、最も転倒予防に繋がるのだと思います。
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