高齢者施設で相談員をしておりますわすれものです。
施設で、スタッフが大変な思いをするケースに、利用者の夜間の不眠が挙げられます。
施設によっては、嘱託医の指示で、直ぐに睡眠薬の処方があるでしょうが、効果は一時的なものであったり、逆に転倒のリスクが増えたりと、積極的に薬を使うのが、お勧めでない事は、研修等で耳にします。
しかし、現場のスタッフからすれば、夜間帯は、1人〜少人数で利用者の対応をする事になります。
利用者皆さんが、朝までよく休まれれば、これ以上平和な夜勤はありません。しかし、現状は
- トイレ回数が多い方の排泄介助
- 尿漏れや便漏れによる更衣やリネン交換
- 体調が良くない方のバイタルチェック
- せん妄による不穏症状
- 独語による他者への影響
- 起床時の更衣介助
- 朝食の準備
- 記録
- 睡魔との戦い
様々な事があります。そのため、如何に利用者にゆっくり休んで頂くかが、ポイントになります。
睡眠確保の為に日勤帯で確認する事
どんなに日勤帯で活動を促しても、寝ない時は全く寝られないのが、現場あるあるです。
だからと言って、日勤帯で何もしない事は、夜勤で来るスタッフとの信頼関係が壊れてしまいます。
少しでも、夜勤スタッフの負担を減らす事も日勤帯の仕事です。
排便は出ていますか?
排便コントロールがうまく出来ず、便秘傾向の利用者は多いです。そのため、3日出ないと、腹部膨満や違和感が出始めるケースが多いです。出口で詰まって、なかなか出せなく、それが睡眠の妨げになります。
排便処置は、日勤帯でスッキリさせて、夜間の睡眠に繋げたいものです。
スタッフの対応は大丈夫ですか?
業務が忙しくて、利用者の対応が疎かになると、その嫌な感情だけが残り、夜間帯に不穏になる事があります。
声掛けの仕方でも、認知症の周辺症状を助長させ、結果的に睡眠の妨げになって、夜勤スタッフを困らせる状況になります。
「○○さん(日勤者)の後の夜勤には入りたくない」
と、言われないようにしましょう。
日中から、温かいサービスが出来ていれば、安心して気持ちよく休まれるかもしれません。
間食の準備があれば安心
空腹で寝られないという利用者も、施設では多い印象です。3食召し上がっていても、認知面で「お腹が減った」となり、それが睡眠の妨げになります。
そのためにも、間食用として、一口サイズのパンやドーナツ·プリン等が、事前に準備してあれば、空腹時の対応として利用者も満足されるかもしれません。
また、ホットミルクは、身体の内側から温めてくれて、緊張をほぐし、睡眠に効果があると言われています。
「何もないから明日の朝まで我慢して!」とならずに、湯呑一杯のお茶でもいいですので、ちょっと口に入れて頂くと、案外その後朝までよく休まれる事もあります。
諦める事も大事
- 初めてのお泊り
- 室温や寝具
- 同室者のいびきや物音
- 照明
- 痛み
上記以外にも、利用者の寝ない·寝られない要因は、様々にあります。
それを、なんとかして寝せようとすると、その夜勤スタッフの苛立ちが伝わるのか、逆に覚醒されてしまい、朝まで不眠というケースも珍しくありません。
なかなか寝られない場合は、
「仕方ない」と諦める気持ち
も大事かもしれません。そうすると、意外に気持ちに余裕が持て、楽になるものです。
昼夜逆転になってはいけませんが、夜は寝るという常識は、施設では通らない事もあります。
利用者が無事に朝を迎える事を、夜勤スタッフの一番の努めだと思って頂けたらと思います。
コメント