高齢者施設で生活相談員をしておりますわすれものです。
はじめに
「先輩によって言うことが違う…」「やり方が毎回変わって混乱する…」
新人の頃、そんな不安やストレスを感じた経験はありませんか?
とくに介護や医療、サービス業のように“人”を相手にする仕事では、
先輩それぞれの価値観や経験の差が教え方に表れやすいものです。
しかし、教え方が違うからといって、
「どれも覚えられない」「自分が悪いんだ」と責める必要はまったくありません。
この記事では、
先輩によって教え方が違う職場で新人が困らずに働くための考え方と対処法
を、丁寧に解説していきます。
1. 先輩によって教え方が違うのは“よくあること”
新人の多くが感じる悩みのひとつが、
「人によって言うことが違う問題」
実はこれは、どの職場でも起きています。
理由はとてもシンプル。
① 先輩の経験値が違うから
長く働いている人ほど経験が豊富で、
その分だけ“自分なりのやり方”が確立されています。
一方、若手の先輩は「基本に忠実に教える」ことを重視します。
どちらが正しいわけでもなく、
経験の差が教え方の差になっているだけなんです。
② 職場のマニュアルが曖昧だから
多くの職場には“マニュアルはあるけれど、実際は現場ごとにアレンジされている”
という状況が存在します。
特に介護の世界では、
ご利用者の性格・生活歴・疾患などで対応が変わるため、
マニュアル通りではうまくいかないことも多いのです。
③ 人それぞれ「大事にしているポイント」が違うから
- 安全を最優先にしたい人
- 短時間でテキパキ終えたい人
- コミュニケーションを大切にしたい人
先輩の価値観やこだわりが違うため、
教え方も自然と変わってきます。
👉 つまり「教え方が違う=あなたが悪い」ではありません。
2. 新人が混乱しやすい“教え方が違う”シチュエーション
実際に新人からよく聞く困りごとは、こんなものがあります。

利用者さんにはゆっくり丁寧に

忙しいから効率よくやって
どっちに合わせればいいの…?と混乱しますよね。

記録はその場で書いて

あとでまとめて書けばいい
作業の優先順位が分からなくなる典型例です。

こう持つと安全だよ

その持ち方は危ないよ
新人が一番不安になりやすい場面です。
こうした“真逆の教え方”は職場あるあるですが、
そのまま放置すると新人はストレスで疲れやすくなります。
3. 教え方が違うときの「正しい受け止め方」
① まずは“目的”を探す
やり方は違っても、目的が同じであればOKです。
例)
- 丁寧派の先輩 → 利用者の安心が目的
- 効率派の先輩 → 利用者の負担を減らすのが目的
どちらも利用者を思っての指導なんです。
👉 表面のやり方より「何を大切にしているのか」を見つけると整理しやすい。
② 共通点をノートにまとめる
- どのやり方でも絶対に守る安全ポイント
- 利用者への声掛けの仕方
- 手順の中で変わらない部分
こうした「変わらない部分」を見つけると、ブレにくくなります。
自分なりの「基準」を持つと一気にラクになります。
③ “矛盾する指導”をそのまま抱え込まない
新人が疲れる最大の原因は
「どれが正しいか分からないまま我慢する」こと。
たとえばこんな風に相談しましょう👇
「先輩方でやり方が少し違うので、今の段階ではどの方法を優先したら良いでしょうか?」
これは“告げ口”ではなく、
現場を安全に運営するための確認です。
4. 上司・リーダーへの相談は早めが正解
新人が全員つまずくポイントだからこそ、
早い段階で相談する方が、むしろ職場も助かります。
相談のタイミングの目安
- 2〜3人の先輩指導がバラバラなとき
- 業務が不安で手が止まるとき
- 同じミスが起こりそうなとき
あなたが“困っている”という情報は、
先輩や上司にとっても大事なフィードバックです。
5. それでもしんどい時の“心の守り方”
① 「自分のせい」と思わない
教え方の違いは“職場の問題”であって、あなたの能力ではありません。
② 一気に100点を目指さなくていい
新人は“幅広く学ぶ時期”。
最初から完璧を求めなくてOKです。
③ メンタルの疲れは「人間関係疲れ」
教え方が違う職場ほど、気を使いやすく疲れやすいですが、
それはあなたが“周りに配慮できる人”だからこそ。
6. まとめ
- 先輩によって教え方が違うのは、どの職場でもよくあること
- 経験や価値観の違いが、教え方に表れているだけ
- 新人のあなたが悪いわけではない
- 迷ったら「目的」と「共通点」を探す
- 困ったときは上司・リーダーに確認してOK
- 自分のペースで吸収していけば十分
教え方の違いに戸惑う経験は、
あなたが成長したときに“新人指導で必ず役立つ視点”になります。
焦らず、ひとつずつ積み重ねていきましょう。

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