高齢者施設で生活相談員をしておりますわすれものです
はじめに
「介護施設を探しているけれど、個室と多床室のどっちがいいの?」
多くのご家族が最初につまずくのが、このポイントです。
結論からお伝えすると、

わすれもの
正解は人によって違う!
この記事では、
費用・生活環境・トラブルの有無・介護度との相性など7つの軸で、
個室と多床室の違いをわかりやすく解説します。
あなたが大切な家族のために、後悔しない選択ができるよう、現場経験をもとに丁寧にまとめました。
【1. プライバシーの違い】
●個室
- 自分の空間がしっかり確保される
- 着替え・排泄・就寝などのプライバシーが守られやすい
- 周囲の物音が少なく、落ち着いて過ごせる
◼️多床室(2〜4人部屋)
- カーテンで仕切るため完全なプライバシーは難しい
- 夜間のいびきや生活音が気になりやすい
- 他の人の会話が聞こえるため、気を使う人も
▶プライバシー重視なら個室が圧倒的にラク。
【2. 費用の違い】
●個室
- 施設にもよりますが、月額2〜5万円ほど高めになる傾向
- 光熱費や生活費が個別計算される場合もある
◼️多床室
- 個室より月2〜5万円ほど安い
- 「できるだけ費用を抑えたい」家族から選ばれやすい
▶経済的負担が大きければ多床室でもOK。
費用の差より生活が安定するかどうかが大事です。
【3. 生活のしやすさ(環境)の違い】
●個室
- 静かな環境で“自分のペース”を守れる
- 持ち込み家具も増やせて、家に近い暮らしができる
◼️多床室
- 誰かが話している声が常に聞こえる
- 人が好きな方は「にぎやかで安心」と感じる
- 認知症の場合は他人の気配が逆に落ち着くケースも
▶「静かに過ごしたい人=個室」「人の気配が安心=多床室」が基本。
【4. 孤独感・交流の違い】
●個室
- ひとりの時間が増え、孤独感につながる場合も
- スタッフが意識的に訪室し、交流を促す必要がある
◼️多床室
- 他者との距離が近く、孤立しにくい
- 雑談が生まれやすく「人の気配が心の支えになる」
▶人と話すのが好きな方は多床室が向く傾向。
【5. トラブルの起きやすさ】
●個室
- 人間関係のトラブルが少ない
- 物の紛失などが把握しやすい
◼️多床室
- 認知症の方とのトラブルが起きやすい
(例:他人のベッドに座る、私物を触るなど) - 排泄臭やいびきなどの問題も起きやすい
▶認知症が進んでいる場合は、個室の方が落ち着きやすいこともあります。
【6. 介護スタッフから見た違い】
●個室
- その人に合わせた介護がしやすい
- プライバシーに配慮したケアができる
◼️多床室
- 複数人の見守りができるため安全面が強い
- 夜勤帯などは“巡視の効率”が良い
▶本人の状態によって「個室の方が安全」「多床室の方が目が届く」など変わります。
【7. ご家族が後悔しない選び方】
▶①本人の性格を考える
- 静かに過ごしたい
- ひとりが好き
→ 個室 - 人と話すのが好き
- 人の気配が安心
→ 多床室
▶②認知症の有無
- 誤解・トラブルが多い
- 不穏になりやすい
→ 個室が無難
▶③面会のしやすさ
- 個室なら家族でゆっくり話しやすい
- 多床室は周囲の目が気になる
▶④費用とのバランス
月2〜5万円の差が長期的に負担にならないか確認を。
【まとめ】個室と多床室に“正解”はありません
介護施設の「個室」「多床室」は、
それぞれにメリット・デメリットがあります。
- 落ち着いた環境で暮らしたい → 個室
- 人の気配が安心・費用を抑えたい → 多床室
大切なのは、
「本人が安心して暮らせる環境はどっちか?」
という視点です。
悩んだときは、施設の見学で
✓ 実際の部屋の広さ
✓ 他の入居者さんとの距離感
✓ 生活音
などを確認してみてください。
あなたの大切な家族が、
「ここなら安心して暮らせる」と思える場所が見つかりますように。

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