高齢者施設で相談員をしておりますわすれものです。今回は、施設での事故についてお話します。
生活の場では、事故は起きる
これは、高齢者に限ったことではなく、私達は、生活の中で様々な事故やケガに遭遇します。
しかし、高齢者の場合は、小さな事故でも、入院になれば、環境の変化や治療のストレスにより
- 筋力が低下し寝たきりになる
- 認知症が進行する
- 今までやってきたことが出来なくなる
- 食欲が低下する
- せん妄 という意識障害が発症する
心身に影響が出やすく、今後の生活に影響を及ぼす恐れが多いです。
そのため、高齢者施設では、
事故を無くそう!
と、目標を掲げている施設も多く、何よりご家族からも、
事故(転倒)がないように!
と、切望される方もいらっしゃいます。
事故を0にするのは不可能
結論から言うと、事故対策を行っていても、事故を0にする事を不可能です。
歩行すれば、転倒のリスク。
食事をすれば、誤嚥のリスク
高齢者施設の利用者であれば、認知症や多くの疾患を持たれ、常に介護が必要な状態である事から、様々なリスクが存在しています。そのような方達を、私達は介護しているわけてすから、事故は必ず起こるものと認識する必要があります。
介護事故のリスクマネジメント
「事故は必ず起きてしまうもの」と認識した上で、介護事故を減らすリスクマネジメントが重要になります。
事故を起こる事を前提に、何も対策をしないことは介護として失格です。
施設の事故として一番多いのが、転倒です。
- 転倒歴があるか
- 一人で歩けるか、車椅子が必要か
- 疾患は何があるか
- 服薬の影響はあるか
- 認知面はどうか
Aさんと言う利用者から、上記のような情報を収集しアセスメントとして、介護現場でのリスクマネジメントを考えていく事が介護職としての努めになります。
事故が起きた後の対応
それで事故が起きたい場合、
- スタッフの不注意がなかったか
- 業務の効率化を優先しなかったか
- 事故対策通りに行っていたか
- 適切な介護方法だったか
必ず分析と今後の対策が必要です。
現場では、利用者の訴えやナースコールが重なる事は多々あります。施設によっては、夜勤者一人で、不特定多数の利用者を見ることもあります。その中で、優先順位をつけて行動する事も、求められるでしょう。
だからこそ、事故へのリスクマネジメントが必要なのです。事故を0には出来ないけど、減らす対策、繰り返さない対策です。
「予防のための取り組み」と「起きた後の対応策」が、施設の利用者が、安全に生活が出来る支えになるわけです。
日々の業務の中で、余裕がなくなっている状況は、理解出来ます。そのため、業務の効率化に目を向けてしまいがちで、「仕事が早く終わる」=「仕事が出来る」という風潮も、一部ではあるのかもしれません。
ただし、介護は人様を相手にする仕事です。予定通りに業務が回らず、慌てるケースもあるかもしれませんが、そのような時に事故は起こりやすいものです。
一度深呼吸して、何の為に業務についているのか?自問自答してみてください。
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