「優しさ」で起きた事故(優先順位のミス)

介護

高齢者施設で相談員をしておりますわすれものです。

今回、夜間帯に起きたベッドからの転落事故について、考察します。

事故の概要

夜勤スタッフが、便いじりによるA様の更衣介助を行っていました。ちなみにA様は、ご自身で起き上がる事は出来ない、転倒リスクは低い方です。端座位にして、上半身裸の状態で清拭を行っていた所、他居室からコールが鳴りました。肌着だけでもと思い、着せてから直ぐに居室に伺いましたが、その居室のB様が、すでにベッドサイドに横たわっている状態でした。

B様のアセスメント

ご自身で動かれますが、下肢筋力が弱く、転倒リスクが高い方です。排泄動作には介助が必要で、センサーマットを設置しております。ベッドサイドには、ポータブルトイレを設置しており、センサーコール時は速やかに居室へ行き、確認しなければなりません。

夜勤スタッフの判断ミスだけれども…

今回、便いじりというA様の更衣の介助にあわなければ、いつも通り居室へ行き、排泄介助が出来たと思われます。夜勤スタッフのその時の行動を、改めて確認すると

  1. 上半身裸で端座位にして清拭をしていた
  2. コールが鳴ったが、どこの居室か確認していなかった
  3. 寒いので「肌着だけでも」と思い、着せていたら時間が掛かってしまった

ここでのポイントは、②コールが鳴っているのに、どこの居室か確認していなかった事が、最も反省する点であります。

  • どこの居室のコールなのか?
  • そのコールはナースコールなのか?センサーマットによるものなのか?
  • センサーマットによるコールと思われる場合、優先順位では高いのかどうか?

が、とっさに頭の中で判断されなければなりません。今回は、その確認が出来ず寒いと思うので、肌着だけでも着せたいスタッフの優しさから生まれた事故と言えます。

『自分で動けない利用者であるのならば、まずは仰臥位にして、布団を掛けて、周りの状況を確認するべきだった』と、委員会で多数の意見が上がりました。

確かに、コールが鳴っている状況で、確認が出来なかったのは、夜勤スタッフの判断ミスかもしれませんが、寒いので肌着だけでもという夜勤スタッフの気持ちも、汲み取る必要があります。

もし、そのA様がある程度しっかりしている利用者で、きちんと声掛けをしていたとしても、裸の状態で寝かされた事にクレームを出されたなら、どういう意見が上がるでしょう。

『寒い真夜中に、上半身裸で横にされたら、風邪引くでしょう!』

と、ごもっともな意見を頂くはずです。

ケース・バイ・ケースになるところですが、肌着だけでも着せた夜勤スタッフの判断に、私は全てが悪いとは思えず、そこが集団ケア(特に夜勤者一人で、何十名も介護する)の難しさと感じています。

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