7割が言えない?介護現場に潜む“サイレントマジョリティー”と向き合う方法

介護現場で声を出せない利用者やスタッフを象徴するサイレントマジョリティーを表したイメージ 介護 施設

高齢者施設で生活相談員をしておりますわすれものです。

介護の現場には、表に出ない「多数派の本音」が存在します。それがいわゆるサイレントマジョリティー(沈黙する多数派)です。
ご利用者、スタッフ、そしてご家族さえも「言えない」「伝えられない」まま過ごしていることは少なくありません。

わすれもの
わすれもの

「何も言わずにいつも頑張るね!」                      実際は、何も言えずにいるだけかもしれません。


サイレントマジョリティーとは?介護現場でどう現れるのか

本来の意味としてサイレントマジョリティーは「声を上げない多数派」を指します。
介護の現場では次のような場面で現れます。

  • ご利用者が本音を言えずに我慢している
  • スタッフが意見を持ちながら沈黙する
  • 家族が不安を抱えても遠慮して言わない

つまり、表面上は問題がないように見えても、実際には多くの不満・不安・要望が隠れているのです。


利用者側の「言えない」理由とは?

ご利用者は立場が弱くなりやすく、次のような心理が働きます。

  • 迷惑をかけたくない
  • スタッフに嫌われたくない
  • わがままだと思われたくない
  • どう伝えたらいいか分からない

たとえば「もっとゆっくり食事をしたい」「寒い」「痛い」「トイレに行きたい」など、生活に関わる大切なことも言えないことがあります。

しかし介護の質を左右するのは、こうした小さな声です。拾えている施設ほど、ご利用者の満足度は高くなります。


スタッフの「言えない」も深刻な問題

スタッフ側にもサイレントマジョリティーは存在します。

  • 職場の人間関係
  • 業務量の多さ
  • ケアの質への疑問
  • 新人指導や役割の偏り
  • 管理職への不満

特に多いのは「仕方ないよね…」という諦め型の沈黙です。これは職場風土に大きな影響を及ぼし、離職にもつながります。

スタッフの声が挙がらない職場は、ご利用者の声も拾われにくい傾向があり、結果としてケアの質が低下しやすくなります。


家族もまた“沈黙する多数派”になることがある

家族が抱えやすい「言えない理由」は次の通りです。

  • 忙しくて見に来れない罪悪感
  • スタッフへの遠慮
  • 介護知識がなく口出ししにくい
  • ご利用者本人の意向を尊重したい

多くの家族は「本当はもっと知りたい」「もっと相談したい」と感じていますが、遠慮してしまいがちです。


沈黙を前提にしたケアでは限界がある

介護はコミュニケーションが根幹です。
ですが、沈黙が当たり前になってしまうと、次の問題が起きます。

  • ケアが画一的になる
  • 個別性が失われる
  • 離職率が上がる
  • クレームまで声が出ない

つまり“声なき声”を拾えない施設ほどトラブルや不満が増えるのです。


サイレントマジョリティーと向き合う3つの方法

① 小さな違和感を“情報”として扱う

無表情、口数の減少、同意ばかりなどは沈黙のサインです。
言葉が出る前に気づけるスタッフは信頼を得やすくなります。

② 選択肢を提示するコミュニケーション

「大丈夫ですか?」より
「AとBどちらがいいですか?」の方が本音を引き出せます。

③ スタッフ同士の声を潰さない文化を作る

否定ではなく共有から始めることで、離職を防ぎ、ケアの質も上がります。


まとめ|“言えない多数派”に光を当てることが質を高める

介護現場には、声を上げない多数派=サイレントマジョリティーが確実に存在します。ご利用者、スタッフ、ご家族…それぞれが立場や環境によって「言えない気持ち」を抱えやすく、外からは見えにくいのが特徴です。

しかし、沈黙には理由があります。遠慮、不安、知識不足、諦め、人間関係…。背景にある要素に気づけるだけで、関わり方は大きく変わります。

大切なのは、声が出た後ではなく声が出る前のサインに気づくことです。表情、スピード、態度、選択の迷い…小さな変化は、言葉以上に多くを語ります。そしてその気づきは、スタッフのケアの質を高め、ご利用者の安心につながり、家族との信頼にもつながります。

「言わない=満足している」ではありません。沈黙の中には必ず何かが存在します。だからこそ、サイレントマジョリティーに光を当て、声を拾い、丁寧に扱う姿勢が求められます。

結果として、沈黙を前提にしない文化が生まれ、離職の少ない職場、ご利用者が安心できる生活、そして家族が信頼できる施設を作る土台になります。小さな声から介護は変えられます。その積み重ねこそが、介護の本質である「寄り添い」を形にする道です。

わすれもの
わすれもの

静かな現場ほど注意が必要です。
「何かあったら言ってください」と伝えても、人はなかなか言えません。言うことで関係が悪くならないか、迷惑だと思われないか…そんな不安があるからです。
だからこそ、普段から【聴く姿勢】と【言っても大丈夫な空気づくり】が大切です。雑談でも不満でも愚痴でも、そこに改善のヒントが必ずあります。

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