高齢者施設で生活相談員をしておりますわすれものです。
「さっきも同じことを聞いたよ…」
そう思いながらも、笑顔で返事を続ける毎日。 認知症の方が何回も同じことを言うのは分かっていても、正直しんどいですよね。
イライラしてしまう自分を責めたり、「こんな気持ちになる私は冷たいのでは」と落ち込んだり。
でも、まず知ってほしいのは―― 辛いのは、介護する側だけではないということ。
この記事では、
- なぜ認知症の方は同じことを繰り返すのか
- ストレスを減らす返事の返し方
- 介護する側の心を守る考え方
を、介護現場の視点も交えながらお伝えします。
認知症で何回も同じことを言うのはなぜ?
認知症の方が同じ話や質問を繰り返すのは、わざとでも、困らせたいからでもありません。
主な理由は次の通りです。
記憶が「今」に残らない
ついさっき話した内容でも、短期記憶として残りにくくなっています。 そのため、本人の感覚では「初めて聞く・初めて話す」状態なのです。
不安を埋めようとしている
同じ質問の裏には、
- 今どこにいるのか
- これから何をするのか
- 自分は大丈夫なのか
という不安が隠れていることが多くあります。
確認することで安心したい
答えそのものより、「誰かが反応してくれる」「ちゃんと向き合ってくれる」ことが安心につながっています。
何回も同じことを言われると、なぜこんなにストレスになるのか
介護する側が疲れてしまうのは、とても自然なことです。
- 何度も同じ返事をする精神的消耗
- 自分の時間が削られる感覚
- 通じ合えない虚しさ
これらが積み重なり、 「分かっているのに優しくできない自分」を責めてしまう人も少なくありません。
でも、ここで大切なのは、 ストレスを感じる=向いていない介護者ではない、ということ。
ストレスを減らす返事の返し方【具体例】
完璧な対応を目指す必要はありません。 少し工夫するだけで、気持ちはぐっとラクになります。
① 毎回「新しい話」として聞く必要はない
同じ質問でも、毎回丁寧に説明し直す必要はありません。
例:
- 「大丈夫ですよ」
- 「もう準備できていますよ」
- 「心配いりませんよ」
短く、安心感のある言葉で十分です。
② 事実より「感情」に返す
内容よりも、気持ちに寄り添う返事を意識します。
例:
- 「心配になりますよね」
- 「不安だったんですね」
すると、同じ質問が少し落ち着くこともあります。
③ 話題をやさしく切り替える
ずっと同じやり取りが続くときは、視点を変えましょう。
- 窓の外を見る
- 写真を見せる
- お茶を勧める
「遮る」のではなく、「流れを変える」イメージです。
④ どうしても辛いときは距離をとる
イライラが抑えられない日は、無理をしないでください。
- 少し席を外す
- 深呼吸する
- 他の人に代わる
感情が爆発する前に離れるのは、逃げではありません。
「辛いのはお互い様」という視点
認知症の方は、
- できていたことができなくなる
- 周囲の反応が変わる
- 自分でも理由の分からない不安に包まれる
そんな中で生きています。
一方、介護する側も、
- 自分の生活を削り
- 感情を抑え
- 正解のない毎日に向き合っている
どちらか一方だけが大変なのではありません。 辛いのは、お互い様。
そう考えられるだけで、少し肩の力が抜けることもあります。
介護するあなたへ伝えたいこと
- 毎回優しくできなくてもいい
- イライラする日があってもいい
- 逃げたくなる自分を責めなくていい
大切なのは、 「完璧な介護」を目指さないことです。
あなたが潰れてしまっては、介護は続きません。
まとめ
- 認知症で何回も同じことを言うのは、記憶や不安が原因
- 返事は「短く・安心感重視」でOK
- ストレスを感じるのは自然なこと
- 辛いのは、本人も介護者もお互い様
うまくいかない日があっても、それはあなたのせいではありません。
今日も本当に、お疲れさまです。

あなたも一生懸命に向き合っているからこそ、
思わず「もう!」と感情があふれてしまうことがあるのだと思います。
ただ、言葉はときに、相手の心を深く傷つけてしまう力を持っています。
一度口にした言葉は、あとから消すことができません。
だからこそ、言葉にする前に、
「今この一言は必要だろうか」と、少しだけ立ち止まってみてください。
そして日頃から、
頑張りすぎず、少し余白を残しておくこと。
一人で抱え込まず、人に頼ること。
それが、ゆとりを持って介護を続けていくための、大切な心得です。
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