新規のショートスティを受け入れるにあたって

介護

高齢者施設で相談員をしておりますわすれものです。

生活相談員の業務の1つに、ショートスティの受け入れがあります。

ケアマネジャーからお問い合わせがあった場合、利用したい期間と部屋が空いていれば、ショートスティのサービスを利用する前提になりますが、新規の相談があった場合、情報収集する必要があります。

利用目的は?

家族の介護負担の軽減が、最も多い利用目的ですが、その他にも様々な理由があります。

  • 退院後自宅での生活が困難
  • 同居の家族が遠方に行くので
  • 虐待の可能性
  • いつも利用している施設が空いていない
  • ショートスティに慣れるため体験利用

どのような利用目的があるのか、しっかり伺う必要があります。

認知症

介護施設のほとんどの方に、認知症があります。そのため、ご利用される方が認知症もなくしっかりされている方では、そのギャップにストレスを感じることも少なくありません。

逆に、認知症の症状が酷い方は、その周辺症状に対して、施設にいらっしゃる利用者から、不満の声も上がる可能性があります。

認知症があるのかないのか、認知症の周辺症状がどの程度見られるか、現場とのバランスを考える必要があります。

身体拘束

これは、病院から退院後、そのままショートスティを利用したい場合の確認事項です。

病院では、治療目的も含め、身体拘束が行われている現状があります。「身体拘束をしているけど、落ち着いてる」と言われますが、身体拘束を外した後の行動が分かりません。

施設では身体拘束はしませんので、拘束を解除した後のしばらくの期間を設けて、本人様がどうだったのか?情報頂いてからの検討をします。

日中、夜間の状態

特に、夜間の睡眠状態を確認していきます。不眠傾向の場合、

  • 睡眠薬や頓服薬が処方されているのか
  • 不眠の場合、どのような行動をされるのか
  • 多床室の場合、他の利用者に影響が出るのか

夜勤者が一人の施設では、何十人近くの利用者を対応する事になります。すべての利用者が、毎日夜間良く寝られる事が少ない施設の現状で、夜間の睡眠が取れていない利用者を新たに受け入れる事は、どれだけリスクが高くなるか、現場のスタッフの理解を得ることも重要です。

医療面

介護施設は、生活をする場所です。看護師は配置されてますが、病院ではないことを家族に理解して頂き、医療ニーズが高い方、毎日医療的な処置が必要な方は、お断りする事もあります。

  • 吸引
  • インシュリン注射
  • 導尿
  • 経管栄養
  • バルーンカテーテル
  • 透析
  • 褥瘡

家族構成

生活相談員になって、家族との関わりの重要性を再認識しました。家族が利用者(父や母、または夫や妻にあたる)に対して、どう思われているのか?

  • とても大事にされている
  • 無関心
  • 何かあればすぐ連絡がほしい
  • 連絡をしてほしくない
  • 協力的
  • 理不尽なクレーム

色んな家族がいらっしゃいます。「モンスタークレーマー」の問題は、社会問題になってますが、介護施設もその例外ではありません。事前に、ケアマネジャーやソーシャルワーカーから、家族の情報を聞き出すのも、トラブル防止の一つです。

ADL

利用者の状態です。食事、入浴、排泄、移動、更衣が、どの程度出来るのか、自立度の確認です。

居室

個室·多床室の確認です。利用者は、どちらの居室がよろしいのか。個室だと、お部屋代も高くなります。多床室だと、同室者の物音が気になるかもしれません。利用者にあった生活空間を、提供出来るかのか確認です。

利用されないと分からない事も

どんなに情報収集しても、結局は実際に利用されないと分からない事もあります。

「情報と違う!」

と、悲しい事に現場から批判を受ける事もあります。新規ショートスティの受け入れは、それだけ現場スタッフも神経を尖らせています。

利用者からしても、施設の雰囲気やサービス等で、合う合わないがあります。一回で終わるのか、継続してご利用されるのか分かりません。最悪、来たその日帰られる事もありえます。

それでも、利用者を知る為の情報収集は、サービスを提供するための介護の基本です。まずは、生活相談員としてどれだけ情報を得られるかがポイントになると思います。

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